かぴ腹さんの日記

基本的には書きっぱなしです。

3月10日

一年前に書き損ねたことを少しばかり。
昭和20年3月10日の未明にあった東京大空襲にちなんで。
 
当時うちの父は都心よりも西側の世田谷に住んでいたので
幸いにも(この晩においては)被害は受けていません。
とはいえ頭上から焼夷弾を撒かれた経験は何度もあるわけで
近所のおばあさんが亡くなった話等々を聞いたことがあります。
 
子供の目から見た焼夷弾はというと
横から見ている分には「とにかく綺麗だった」そうな。
落下音が、ある種の打ち上げ花火の音に似ている、とも。
どこに注目してんだって気もしますが生々しい話ではあります。
でもやっぱりトラウマみたいな感じで話したくないんでしょうね。
訊いてもあまり話してくれませんから。
 
島田市ほか全国に投下されたパンプキン爆弾(模擬原爆)のように
戦後の情報開示によって真相が明らかになる場合もありますが
それは現場にいた人の体験談とは別次元の話。
 
作家の早乙女勝元さんみたいに「書いて後世に伝える」って人は
なかなか居ないので、こちらから聞き出すしかないのです。
すでに風化しまくっていますが、今ならまだナマの声を聞けます。
 
長野に疎開していたという時期も詳しく聞いたことがないので
とりあえずは酔わせて話題を振る。
地雷(話し出すと長いツボ)を踏みかけたら酒を注いで軌道修正。
これでトライしてみたいと思います。
                                       了